《じっくり解説》世俗主義,世俗的ヒューマニズムとは?

セキュリティシール 改ざん防止シール 2000枚開封済文字 透明タイプ 縦20mm横35mm 楕円形jq345ALR

セキュリティシール 改ざん防止シール 2000枚開封済文字 透明タイプ 縦20mm横35mm 楕円形jq345ALR

[英語]Secularism, Secular Humanism.人間の精神と自由に信頼し,神から自律した人間の尊厳を擁護し,神とのかかわりなしに人間の解放と自己実現を図ろうとする思想.<復> 人間尊重と人間解放を目指す,最初の歴史的運動としてのヒューマニズムはルネサンスの人文主義者(Humanists)に由来する.人文主義者は古代ギリシヤ・ローマの古典あるいは古典語の研究を媒介として,中世的世界観や教会の権威からの離脱を求めた.彼らは古典の中に人間の理想を見出し,それによって既存の世界観や社会制度を批判した.キリスト教的人文主義者エラスムスは新約聖書を原典で学び,原始キリスト教の再建を夢見たが,ギリシヤ・ローマの哲学や文学の古典の精神をキリスト教と矛盾するとは考えず,両者を調和的に理解した.非キリスト教的著作を称賛した人文主義者たちも,必ずしもキリスト教に対して批判的ではなかった.<復> ルネサンスの人文主義者たちの古代の思想や文化の研究の背後に隠されていた自律的な認識と行為への志向は,次第に人間中心主義的な思想を生み出していった.人間とその本性的能力に信頼し,それを起点として個人・社会,また世界全体を秩序付けようとするヒューマニズムは,人間以外に依拠するものを持たず,人間の理性以外に真理認識と権威の根拠を求めない.そして中世的世界観や教会の権威からの解放運動は,人間性を抑圧し束縛する根源を神と見なし,神からの解放を目指すようになった.このようなヒューマニズムから,人間の認識と行為の源泉から神を排除し,現実の生に対する神の介入を拒絶する理神論,最終的には神の実在そのものを否定する理論的・実践的無神論が生み出された.人間性そのものに内在する能力を限りなく肯定し,それに信頼を置くヒューマニズムは,キリスト教の原罪の教理を攻撃目標として,これを否定し,人間本来の善性を賛美するようになった.人間の究極目的をこの世の生の彼岸に置かず,現世において個々の人間と人類全体の自己実現と存在意義の成就をはかることができると主張した.ヒューマニズムは歴史の進歩を信じ,社会や文化を構成している個々の要素,すなわち哲学,宗教,道徳,芸術,学問,経済,政治,法律,技術,教育などを進歩という観念のもとに把握し,個々の人間と社会を完全な善性への発展過程にあるものと考えた.人間を真理に導くものとして科学が強調され,人間の幸福を実現するものとして技術と経済が尊重され,これらのものはキリスト教と敵対するものとされた.<復> このようなヒューマニズムは世俗的ヒューマニズム,あるいは世俗主義と呼ばれる.「世俗」の語源であるラテン語「Saeculum」は世代,また時代を意味しているが,「世俗」はやがて「この時代に属する」,「この世的」を意味するに至った.世俗主義はこの世を超えた存在を否定し,人間や世界のようなこの世の実在を無条件に肯定する思想,非宗教的な態度を基盤とした個人生活と社会生活の形態を意味する.<復> 世俗的ヒューマニズムが拡大し,キリスト教と教会の権威が相対的に地盤沈下していくならば,世俗化と呼ばれる社会現象が生れる.世俗化とは,社会と文化の個々の構成要素がキリスト教的観念とキリスト教的諸制度の支配と権威,またその影響力から解放されていく過程である.世俗化の中で,キリスト教的観念は次第に意味を失い,キリスト教的諸制度は社会の中心部分から周辺へと押しやられていく.世俗化への途上において,経済,政治,技術などの諸領域にそれぞれの自律的な法則が支配し,神が介入したり,キリスト教の倫理的規範に従って秩序付けたりする領域が次第に狭められてくる.世俗化の過程で,生活の公的領域と私的領域の分離が進行し,信仰生活は私的領域の中に閉じ込められ,人間の自由を表現し,自己実現を図る場がそこだけに限定される.公的領域から切り離されることによって,信仰生活の統一性が破壊される.公的領域では,すべての人間を支配する共通の法則が支配しているが,私的領域では,主観的価値観が支配する様々な選択肢に満ちた多次元化が進み,キリスト教信仰も様々な宗教的選択肢のうちの一つとして理解されるようになる.世俗化におけるキリスト教の閉塞(へいそく)状態は,個々のクリスチャンと教会に対して,無原則的な妥協と適合を強いる大きな誘惑になる.<復> 世俗化を歴史の必然的な流れと受け止めた神学者はキリスト教を世俗主義に適合させようと企てた.ドイツの神学者フリードリヒ・シュライアマハーはヒューマニズム的観念によるキリスト教の再解釈を企図した最初の人物とされる.彼は絶対依存の感情によって,神をはじめとするキリスト教教理をすべて説明しようとした.<復> 第2次世界大戦以後,ドイツの神学者ディートリヒ・ボーンヘファーのキリスト教の非宗教的解釈から示唆を受けて,多くの神学者がキリスト教の世俗主義的解釈を試みた.フリードリヒ・ゴーガルテン,パウル・ファン・ビューレン,H・W・ロビンスン,ハーヴィ・コックスなどがその代表者である.そしてJ・J・アルタイザーやウィリアム・ハミルトンのように世俗主義へのキリスト教の適合を徹底させ,神の死の神学を提唱する神学者まで現れるに至った.<復> 西欧の中世社会を尺度にすれば,現代の社会は世俗化している.しかし世俗化が歴史の必然的過程であるとする主張は,社会学的考察から見ても,真実ではない.人間に固有の能力を絶対化し,他の人間や自然との関係を自分の理性と意志によって統制し,人間の解放と自己実現をはかろうとしても,それが神を失った人間がなすことである限り,ますます強固に人間を隷属させるものを次から次へと新たに作り出すだけであろう.カール・マルクスは資本主義的経済構造からの人間の解放を訴えた.現在では多くの思想家が巨大な科学技術が生み出す社会環境からの解放を主張している.社会が神聖化されたり,絶対化されたりしてはならないという意味では,政教分離の原則などからも明らかなように,世俗化はキリスト教的にも評価されるべき点がある.世俗化された社会において教会に求められていることは,この世に対しての積極的な対応である.教会はこの世を世俗主義の支配にゆだねてはならない.人間と社会は神とのかかわりにおいて初めて存在意義を持つのであれば,教会はこの世全体に及ぶイエス・キリストの主権を承認し,世俗化に抗しつつ,この世に働きかけ,この世の全領域に対して,神のことばの諸原則を行き渡らせようとする試みがなされなければならない.1980年代になってジャーク・エリュール,フラーンシス・シェーファー,オス・ギネスなどのキリスト教思想家や神学者によって,世俗主義や世俗化に対する新しい挑戦がなされている.→自由主義神学,神の死の神学,キリスト教的ヒューマニズム,ルネサンス,啓蒙主義,世界・世.(多井一雄)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

似顔絵制作 女性サンプルカップル 家族 ご両親 サプライズ 家族 敬老の日似顔絵プレゼントA4サイズ長寿記念 家族記念 結婚祝 還暦祝い お祝い誕生日 結婚記念 記念日 退職dtrsCxhQ

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社